JA秋田厚生連 秋田厚生医療センター


消化器外科 呼吸器・乳腺外科

概要

 外科のスタッフは10名で新潟大学第1外科と秋田大学第2外科の出身者及び出張医により構成されています。 年間手術件数は平成28年938例(全身麻酔手術716例)で年々増加しております。平成21年に地域がん診療連携拠点病院に認定された影響もあり、悪性腫瘍の手術が多くを占め、平成28年は胃がん89例、大腸がん144例、乳がん33例、肺がん50例、肝胆膵の悪性腫瘍44例などとなっております。 また虫垂炎をはじめとする腹膜炎、腸閉塞、消化管穿孔などの救急疾患、気胸などの良性呼吸器疾患、肛門疾患も扱っております。
 いずれも消化器科、呼吸器科、放射線科、病理科など関連各科との密接な連携の下で診断・治療にあたり、また、がんの再発時には緩和ケア科との連携の下で診療にあたっております。

腹腔鏡下肝切除、膵切除の導入

当院は、厚生労働省が定めるすべての腹腔鏡下肝切除術において、その施設基準を満たしております。すなわち、部分切除及び外側区域切除に加えて、亜区域切除、1区域切除、2区域切除及び3区域切除以上、にも施設基準を満たしております。 2018年8月に、消化器外科に鹿股医師が赴任後、2018年9月から開始し、3か月間で6例の腹腔鏡下肝切除術を行いました。全例、術後7日以内(平均5日)に退院しており、良好な成績です。 すべての患者さんを腹腔鏡で行うわけではなく、病変の状態、全身状態、など総合的に考え、開腹か腹腔鏡か、患者さんの希望も聞きながら、判断しています。 腹腔鏡下膵体尾部切除術も、同様に施設基準を満たしております。 希望のある方、話だけでもという方など、どのような患者さんでも気軽にご相談ください。

【腹腔鏡下手術のメリット】

腹腔鏡下手術の利点は、
① 傷が小さい。痛みが少ない。
② 肉眼よりも内視鏡の方が細かい血管がよく見える。出血が少ない。
③ 全身の回復が早い。
④ 早期に社会復帰が可能となる。
⑤ 術後の癒着性腸閉塞が少ない。
などです。一方で、開腹手術に比べて、時に手術操作が難しくなることもあり、決して無理をせず、術中の状況次第では、開腹に変更するという心構えで臨んでおります。

【肝胆膵領域の癌の特徴】

肝胆膵領域の癌の特徴は、
① 診断が難しく、超音波内視鏡検査など高難度技術の検査が必要なことも多い。
② 進行癌が多く、手術で取れるか、ギリギリのものも少なくない。
③ 手術に時間がかかり、難易度の高いものが多い。
④ 出血量も多くなる傾向がある。
など、診断、治療に高い専門性を必要とします。

【診断】

当院では、内視鏡的逆行性膵胆管造影検査(ERCP)、超音波内視鏡検査(EUS)、直接膵胆管鏡検査(Sygrass®を用いた)など高難度の検査を行える消化器内科医が複数在籍しており、より正確な診断を日々目指しております。 また、毎週、内科外科カンファレンスを行い、診断、治療方針の検討を行い、最適の治療法の選択に努めております。

【手術】

2018年8月より、日本肝胆膵外科学会高度技能専門医である鹿股宏之医師が赴任し、肝胆膵領域のあらゆる手術に対応しております。
「手術可能かどうかは、癌の状態、患者さんの全身状態を総合的にみて、バランスのいい判断をしなければなりませんが、肝胆膵領域の癌の治療の中心はやはり切除です。ギリギリまで切除の可能性を追求して、患者さんとともに癌に挑む所存です。秋田県の癌死亡率は全国トップクラスであり、少しでもそれを減らすことが求められております。どのような患者さんでも、気軽にご相談ください。」
(文責;鹿股宏之)

学会施設認定

  • 日本外科学会認定医制度修練施設
  • 日本外科学会外科専門医制度修練施設
  • 日本消化器外科学会専門医制度認定施設
  • 日本呼吸器外科学会専門医制度関連施設
  • 日本胸部外科学会認定医認定制度関連施設
  • 呼吸器外科専門医認定機構関連施設
  • 日本大腸肛門病学会専門医修練施設
  • 日本大腸癌研究会施設会員
  • 東北外科集談会施設会員
  • 日本静脈経腸栄養学会認定NST稼働施設

専門外来のご案内

ストーマ外来
(毎週月曜日 午後2:00~、完全予約制 内線 3100まで)
<腹部に人工肛門及び人工膀胱を有する方を対象に、専任のWOC(創傷、オストミー、失禁ケアー)認定看護師が患者さんのご相談に応じます。実施場所:1階10番外科>

当科の特徴・当科で行っていること

 主にがん疾患をはじめとする悪性疾患に対して高い根治性を追及することはもちろんの事、術後のQOLをいかに良好に保つかを考えた手術をこころがけています。

【胃がん】胃下部の胃がんに対しては幽門側胃切除術を基本とし、胃上部のがんに対しては胃全摘出術、J型空腸嚢による再建術を行っております。このJ型空腸の再建により『胃が無くても結構食べられる。』と患者さんから好評を得ております。また、早期胃がんに対しては腹腔鏡補助下幽門側胃切除術を導入し、進行例に対しては周囲臓器合併切除を含めた拡大手術も行っております。

【大腸がん】積極的に腹腔鏡下手術を行っております。創が小さくすむことより術後の回復が早いのが特徴です。下部直腸癌に対しては患者さんの状況に応じ、可能な限り人工肛門を回避し、肛門温存を心がけております。また高度進行直腸がんに関しては術前化学療法・放射線療法を組合せ、また、側方リンパ節郭清といった拡大手術を行うことで根治性を追求しております。 大腸がんの肝転移や肺転移症例に対しては積極的に肝切除術・肺切除術を行っております。

【肝胆道がん】肝切除術、(亜全胃温存)膵頭十二指腸切除術など積極的に行っております。

【胆嚢結石症】腹腔鏡下胆嚢摘出術を標準的に行っております。

【鼠径ヘルニア】腰椎麻酔下にdirect Kugel patch®を用いた修復術を行っております。入院期間は通常4日間です。

【肺がん】胸腔鏡補助下手術を標準術式とし低侵襲性と根治性のバランスを考慮した手術を行っております。

【乳がん】術前に乳癌の広がりを正確に判断し、可能な限り乳房温存手術を心がけております。またICG蛍光法を用いたセンチネルリンパ節生検を行い、腋窩リンパ節郭清を回避する努力もしております。

【肛門疾患】内痔核に対して従来法(L&E結紮切除法)のほか、ジオン®注を用いた四段階注射法(ALTA法)を導入し、1泊2日と入院期間が短く、術後疼痛もなく、効果にもすぐれ好評を得ております。その他、裂孔による肛門狭窄や痔瘻に対しても積極的に治療を行っております。

【化学療法】術後補助化学療法、再発治療の化学療法も当科にて行っております。従来の抗癌剤に加え、分子標的薬も積極的に使用し、最新のエビデンスに基づいた治療を行っております。外来化学療法室を併設し、がん化学療法看護認定看護師が専門的知識の下に看護に当たっております。

【ストーマ外来】皮膚・排泄ケア認定看護師(wocナース)が在籍し、ストーマ管理、トラブルの指導・対応を行っております。

 以上、当科で行っていることの一部を記載しました。実際の治療は患者さんの年齢、活動性、持病、病状により決定します。また、毎朝外科医がカンファレンスを行い、治療方針につき全員で検討しております。疑問点に関しては主治医に何なりとご質問ください。

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