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院長あいさつ

当院院長 柴田聡よりご挨拶申し上げます。

Greeting by director


院長 柴田 聡(しばた さとし)

令和5年、2023年4月1日、秋田厚生医療センター院長に就任いたしました柴田聡です。当院の開設は昭和7年(1932年)、初代院長は名古屋医科大卒(現 名古屋大学医学部)の加藤三九朗先生。9代目院長が坂本哲也先生(1998年〜)、10代目が阿部栄二先生(2008年〜)、そして11代目が遠藤和彦先生(2017年〜)、私が12代目であります。この91年間の長い歴史を支えてこられた11名の院長先生をはじめとする多くの職員のご苦労ご尽力に対し、心から敬意を表します。

私は2019年4月に当院消化器外科に着任し、肝胆膵外科や臨床研修を中心に活動してまいりました。着任してまだ日が浅いのですが、「当院における歴史」は全医師中最古であります。実は私、医師1年目の途中、1989年(昭和64年、平成元年)1月から1年間、土崎の秋田組合総合病院に勤務した、元あきくみ研修医であります。私の医師としての土台はこの1年間で形成されたと言っても過言ではありません。外科医らしいことが何一つできない状態でやって来た私を懇切丁寧に指導してくださったのは、外科の先輩方のみならず、外科病棟・手術室・外来の看護スタッフの皆さん、同じ処方間違いを繰り返しても、辛抱強く指導してくださった薬剤師さん、手術室に遅刻した際、『10年早いよ、柴ちゃん』と叱ってくださった麻酔科の先生、夜中に救急外来を受診した腹痛の患者さんが実は心臓疾患だということを気付かせてくださった循環器病棟の看護婦さんなど、院内の全ての皆様でした。そして、最も大切な事を教えてくださったのは患者さんです。ある朝、病院前でお会いしたトラック運転手のEさんが、「俺、まさが がんでないよな、先生」とお話になった時の不安げな表情は今でも忘れません。当時は「がん告知」をしてはいけない、という時代でした。このように多くの方々から教えていただき、作っていただいた土台をもとに、これからは初代、元あきくみ研修医の院長として、秋田厚生医療センターの教育に、今まで以上に力を入れてまいります。教育とは、私が研修医時代に受けた、医師としての教育のみならず、院内にいる全ての方々の教育、そして、患者さん、一般市民の方々への教育的な活動であります。この教育という接着剤で院内の多職種と地域の皆さんを一つのチームにまとめることが、私の院長としてのミッションです。

初代院長、加藤三九朗先生は、当院を退職したのち、愛知県で「三九朗診療所」を開設され、「趣味は医者だと言って、寝食を忘れて患者さんのことを考えての生活」を送っていたそうです。診療所は、三九朗病院として今も愛知県豊田市で続いています。私は「趣味は教育だと言って、寝食は忘れずに働き方に留意し、職員と患者さんを含めた市民のことを考えての生活」を送ってまいります。

秋田厚生医療センターは設立92年目である2023年以降も患者さんと地域の皆様に必要とされ、安心して訪れることができる場所であるよう努めてまいります。私は、2032年に100周年を迎えるであろう13代目院長に、笑顔でバトンを渡せるよう、本年から一年一年努力を続ける所存です。今後も秋田厚生医療センターをよろしくお願いいたします。

院長 柴田 聡 
(2023年4月1日)