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臨床検査科

当院の臨床検査科の紹介です。

Laboratory

このページの目次

概要

臨床検査科は大きく分けて7つのセクションで構成される検査業務専門の部署です。近年外注検査化が進んでいますが、当院では私たちが責任を持って皆様の体内情報を正確に、迅速に臨床へ提供すべく日夜励んでおります。以下は各セクションの概要です。

生化学・免疫部門

健康状態や病気の程度により、からだは血液中や尿に様々な物質を出します。その物質を定量的に調べるのが生化学検査や免疫血清検査です。どこの部位がどんな状態なのかを調べる最も一般的な検査であり、多くの検査項目を組み合わせて診断や治療効果の判定、経過観察に使われます。24時間稼働している検査であり、緊急搬送等の患者様にも対応できるようになっています。 生化学検査、免疫血清検査では遠心分離した血清や血漿(上清)を用いて検査します。
また、検査には機器で測定する方法や、臨床検査技師が手作業で検査する方法があります。
これらの測定機器では、健康診断で馴染みのある、AST、ALT、γ-GTPやコレステロール、尿糖、血糖、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)、血液ガスや感染症(B型肝炎・C型肝炎・梅毒)、心筋の傷害の程度の見る物質(心筋マーカー)、甲状腺ホルモンや腫瘍などの発生によって上昇するタンパク質(腫瘍マーカー)のなどの検査をしています。
採血室や救急外来、病棟など各所で採取された検体を迅速に分析し結果をお返ししています。

「主な測定機器の一例です」

一般検査部門

全自動尿分析装置 全自動尿中有形成分分析装置

一般検査では尿に蛋白や糖などが出ていないか、出血(潜血)がないかなどを専用分析器で調べます。また、腎臓、尿路系などの炎症や出血、腫瘍などを疑う場合は、尿沈渣という検査があり尿をある程度、遠心機にかけてから細胞成分を顕微鏡で識別し膀胱炎のような炎症があると白血球、赤血球、などがでてきます。
便検査では、消化管からの出血を専用分析器で調べ大腸癌などの出血がないか調べます。また、寄生虫を疑う場合は虫卵を調べる場合もあります。

髄液検査は、髄膜炎などの診断と治療効果の判定には欠かせない検査です。髄液は、脳脊髄に存在する水様透明の液体で糖や蛋白などを測定するとともに顕微鏡で細胞数とその種類を調べます。
その他として穿刺液検査で関節液、胸水、腹水、心嚢液と妊娠反応などを調べています。

血液検査部門

血球数算定用自動分析装置 顕微鏡で白血球の分類をしたり、異常細胞の有無を調べます。

血液中の赤血球や白血球、血小板の数を測定したり、種類や形態を調ベる検査です。貧血などの病態把握や白血病などの血液疾患の診断などに用いられます。 また、血液が固まる機能をみる凝固系の測定も行い、出血・止血などの治療に役立っています。

輸血検査部門

輸血検査用自動分析装置
血液型、不規則抗体スクリーニング、交差適合試験の検査を行っています。
照射赤血球液用保冷庫 自己血用保冷庫

手術や治療で輸血が必要になった場合に安全な輸血が行われるよう、輸血関連の検査と輸血用製剤の管理業務を一括し、24時間体制で対応しています。

輸血製剤は、無駄なく適正に使用されるよう、専用保冷庫で厳重に保管・管理しています。

  • 照射赤血球液→出血や貧血のとき輸血します。
    (他に、新鮮凍結血漿、照射血小板、アルブミン製剤を管理しています。)
  • 自己血用保冷庫→患者本人から採血した自己血を輸血するまで、安全に保管管理しています。

当院では輸血管理料、輸血適正使用加算を取得しています。

生理検査部門

生理検査部門では、常に患者様に寄り添った対応を心掛けています。
主な検査項目として、心電図検査・肺機能検査・聴力検査・血圧脈波検査・脳波・運動神経伝導速度・体成分分析・各種超音波検査(腹部、腹部造影、心臓、血管、体表)に対応しております。
※他、睡眠時無呼吸症候群検査の電極装着も行っています。(解析は外注)

微生物検査部門

一般菌検査

同定感受性装置 血液培養装置

  • 塗抹鏡検検査
    喀痰、尿、便、膿など様々な材料をスライドガラスに塗り、染色して顕微鏡で観察します。
  • 培養同定検査
    提出された材料を色々な培地に塗り、ふ卵器で培養することにより、目に見えない細菌を目に見えるように増殖させ、感染症の原因となる菌を見つけ出します。
  • 薬剤感受性検査
    検出された菌に対し、どのような抗菌薬が効くのか調べます。

抗酸菌検査

結核菌を代表とする抗酸菌の培養検査をします。また、遺伝子検査により、短時間で結核菌を検出します。

迅速検査

インフルエンザ、ロタ、アデノなどのウイルスや溶連菌、肺炎球菌、レジオネラ菌などの抗原を検査キットを用いて短時間で調べます。

その他

様々な薬剤耐性菌や院内感染の情報発信基地として感染対策チーム(ICT)にも参加しています。

病理組織・細胞診部門

病理検査室では2名の病理専門医が、皆様の適切な治療のために病理診断を行っています。病理診断とは患者さんの体より採取された病変の組織や細胞から標本を作製し、それを顕微鏡で観察して診断することで、この病理診断を専門とする医師が病理医です。病理標本は固定、包理、薄切、染色という過程を経て作られます。病理部で行われている病理診断には以下のようなものがあります。

1. 生検組織診断

治療方針を決めるために、胃や肺の内視鏡検査を行った際に病変の一部をつまみ採ったり、乳房にできたしこりやリンパ腺の腫れをメスや注射針などで採取し標本にします。この検査を生検といい、その診断を生検組織診断とよびます。必要があれば通常の染色に加え、免疫染色など特殊検査を行い診断に役立たせています。

2.HE染色標本

一般的には通常ヘマトキシリン・エオシン染色(HE染色)を行います。また必要に応じて、特殊染色や免疫染色等が行われます。

3. 手術で摘出された臓器・組織の診断

摘出された臓器・組織は、病理医が肉眼で病変の部位、大きさ、広がりなどを確認し、診断に必要な部分を切り取り標本にします。この標本で病理診断を行い、どのような病変がどれくらい進行しているか、手術でとりきれたのか、追加治療が必要かなど治療方針の決定に役立つ情報を臨床医に提供します。

4. 手術中の迅速診断

通常の病理診断は小さいものでは2~3日、大きなものでは1~2週間程度必要ですが、直ちに病理診断が必要な場合があります。部位の関係で手術前には生検が行われず、手術中の病理診断で治療方針を決定しなければならない場合、手術した端にがんがあるかどうか確認する場合、がんの転移が疑われる部位を調べて切除する範囲を決める場合などです。この場合は組織を特殊な方法を使って直ちに標本にし、10~20分程度で病理診断を行い、手術方針の決定に役立っています。

5. 細胞診断

肺がんや膀胱がんでは細胞がはがれて痰や尿の中に混じることがあります。痰や尿を顕微鏡で調べてがん細胞がいるかどうかを判断するのが細胞診断(いわゆる細胞診)です。子宮がん検診では、子宮頚部から細胞をこすり取って調べます。細胞診断は3名の専門の資格をもった細胞検査士によってスクリーニング(選別)され、指導医が最終診断を行います。

6. 病理解剖(剖検)

ご遺族の承諾のもとに、病死された患者さんのご遺体を解剖させていただくものです。生前の診断は正しかったのか、どのくらい病気が進行していたのか、適切な治療がなされていたのか、治療の効果はどれくらいあったのか、死因は何か、といったことを判断します。この結果を蓄積し、今後の医療に役立たせてまいります。