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代表的手術・治療

当院の整形外科の高度先進医療についてです。

Advanced medical technology - Orthopedic surgery

腰椎椎間板ヘルニアに対する顕微鏡手術・内視鏡手術

腰椎椎間板ヘルニアはとても多い疾患です。椎間板が神経の方に飛びだして圧迫するため下肢の痛みを生じます。多くは手術しなくても痛みが自然に軽快します。しかし、1ヶ月以上痛みが続くような場合や、痛みが我慢できないほど強い場合、麻痺のため下肢に力が入らない場合には手術をした方がいいと思います。手術では、顕微鏡や内視鏡を使って2-3cmの小さな傷で手術することができます。外側型腰椎椎間板ヘルニアという特殊なヘルニアには、わずか1cmの傷で8mmの内視鏡を用いて手術しています。しかし、ヘルニアの大きさや部位によっては4-5cmの傷で直視下にヘルニアを切除したり、7-8cmの傷で金属を用いた固定術をした方が安全な場合があります。

腰椎椎間板ヘルニアに対するヘルニコア

当院では腰椎椎間板ヘルニアに対して、椎間板内にヘルニコアという酵素を注射する治療行っています。アレルギー反応を起こすことがあるため、1泊2日の入院を勧めています。特殊な酵素を使用するため、一生のうち1回しか注射できません。ヘルニコアを注射すると、2-3週で痛みが軽減することが多いですが、残念ながら効果がない患者さんもいます。より早く効果を実感したい方、より確実な治療方法を望む場合には手術を勧めます。

腰部脊柱管狭窄症に対する開窓術・腰椎椎体間固定術

腰部脊柱管狭窄症は加齢の変化に伴って神経を入れている管(脊柱管)が狭くなる病気です。多くは椎間のレベルで狭窄します。坐っている時には症状が少なく、立ったり歩いたりすると下肢にしびれが生じ、時間とともに増強する特徴があります。手術は狭くなった脊柱管を拡げるために行います。椎間が安定している場合には骨を削るだけの開窓術を行い、椎間が不安定な場合には金属を用いた椎体間固定術を行います。

腰部脊柱管狭窄症に対する間接除圧

腰部脊柱管狭窄症に対して、2023年より間接除圧を行っています。神経を圧迫している骨や靭帯などを直接削らずに、椎間を固定することで間接的に狭い椎間を拡げて症状を改善させる方法です。始めに側方から椎間にスペーサーを挿入し、次いで後方から小さい傷でスクリューを挿入して椎間を固定します。筋肉をあまり傷つけなくていいため痛みが少なく患者さんに優しい方法です。直接除圧する方法に比べて確実性がやや劣る可能性があるため、当院では比較的症状が軽い患者さんに対して本手術を勧めています。

頸椎症性脊髄症に対する頚椎拡大術

頚椎に加齢の変化を生じると、脊柱管が狭くなり脊髄が圧迫されます。脊髄が圧迫されると、手足のしびれを生じたり、紐結びなどの細かい動作がしにくくなり、足もふらつくようになります。様子をみていても、自然に良くなることはほぼ無いため、手術を行います。手術では、後方から脊柱管を拡げる、頚椎拡大術を行います。
術前のMRIでは脊柱管が狭くなっていますが、術後のMRIでは、術前に比べて脊柱管が広くなり脊髄の圧迫が取り除かれているのがわかります。

頸椎症性脊髄症に対する頚椎拡大術
手術前MRI 手術後MRI 手術後正面X線写真 手術後側面X線写真

頚椎椎間板ヘルニアに対する後方ヘルニア切除術・前方除圧固定術

頚椎椎間板ヘルニアによって脊髄・神経根が圧迫されると、手足のしびれや痛みを生じます。手術は前方法と後方法があります。ヘルニアが神経根を圧迫している場合には、後方から、顕微鏡や内視鏡を用いて、椎間孔という神経根の通り道を拡げる椎間孔拡大術を行います。ヘルニアが脊髄を圧迫している時には、頚椎前方除圧固定術を行います。前方から椎間板ごとヘルニアを切除し、切除した後には頚椎が不安定となるため固定を行います。人工椎間板に置換することも可能ですが、より確実に症状をとるため前方除圧固定術を選択することが多いです。

頚椎椎間板ヘルニアに対する前方除圧固定術
術前MRI 術後X線写真

脊椎椎体骨折に対する椎体形成術

脊椎椎体骨折は、"圧迫骨折"として知られています。多くは手術しなくても治癒しますが、一部の患者さんでは痛みが長期間にわたって続いたり、潰れた骨が神経を圧迫して下肢のしびれ・麻痺を生じる場合があります。当院では、受傷早期にMRI・CTを撮影し、治癒が見込まれない可能性が高い場合には椎体形成術を行っています。椎体形成術は、潰れた椎体内にセメントを詰める方法です。全身麻酔下に手術を行い2週間程度の入院が必要です。手術翌日には立位・歩行が可能となることが多いです。
受傷後時間が経過し偽関節になった場合には椎体置換術を行います。

第12胸椎椎体骨折に対する椎体形成術
術前CT 術後X線写真

脊椎椎体骨折に対する椎体置換術

脊椎椎体骨折が骨癒合しない状態を偽関節といいます。偽関節になると、痛みがとれなかったり、潰れた骨が神経を圧迫して下肢のしびれ・麻痺を生じる場合があります。そのような場合には潰れた椎体を切除し、人工の椎体に置換します。潰れ方によって、側方から手術を行う場合と、後方から手術を行う場合とがあります。置換した椎体を安定化させるために、後ろからスクリューなどの金属で固定します。

脊柱変形矯正固定術

脊柱が変形する(脊柱変形)とバランスが悪くなります。前に腰が曲がってしまう変形を脊椎変性後弯症、側方に曲がる変形を脊椎変性側弯症、前方・側方が同時に曲がる変形を脊椎変性後側弯症といいます。バランスが悪くなると、歩いた時に前かがみになったり、横に傾いたりするため、腰が痛くなり、長い距離を歩くことができなくなります。内臓にも負担がかかるため、食欲がなくなり、胃食道逆流減少が起こることもあります。100mも歩かれなくなると日常生活に支障がでてきます。手術では、変形を矯正して固定する脊柱変形矯正固定術を行います。姿勢が良くなることで、腰痛は軽減し、長い間立っていることも、長い距離歩くこともできるようになり、胃食道逆流減少も改善するため食欲もでます。一方、背中から骨盤まで固定する必要があるため、前かがみになることがしにくくなります。術後には、10人中5人は靴下を履くことができず、10人中8人は足の爪切りができなくなります。胸を張って歩きやすくなる代わりに、前かがみの仕事がしにくくなるのがこの手術の特徴です。

脊椎後側弯症に対する脊柱変形矯正固定術
術前 術後

最小侵襲人工股関節置換術(MIS-THA)

従来15~20cmの皮膚切開で筋肉の一部を骨から切り離して行われていた人工股関節全置換術(THA)を当院では6~9cm程度の皮膚切開で、筋間進入法により可及的に筋肉を温存する最少侵襲手術手技(MIS)を用いて行っています。筋肉を切らない手技なので術後の痛みや筋力低下が少なく、早期リハビリと退院(術後2週間前後)が可能となています。
*変形の程度によってはMISが適応できず、通常の手技となることもあります。

変形性股関節症の人工関節置換術
術前正面像 術後

低侵襲人工膝関節置換術(MIS-TKA、UKA)

日本人の膝関節は内側型障害が多く、部分的な人工膝関節置換術(UKA)が有効です。小さな皮膚切開による最小侵襲手術なので、術後の痛みが少なく、関節可動域が大きく、早期リハビリと退院が可能となります。また全人工膝関節置換術でも小切開による低侵襲手術を行っています。

内側型変形性膝関節炎症の片側人工関節置換術(UKA)
術前 術後 術後側面