接遇教育委員会
市内で1番の接遇を目標に取り組んでいます。
Hospitality
秋田厚生医療センターは平成26年から接遇にも力をいれています。
接遇教育委員会を立ち上げ、啓蒙活動やあいさつ運動等 日々活動をおこなっています。
このたびホームページを作成し、活動内容を皆様にご紹介することにいたしました。
是非、私たちの心構え 奮闘ぶりをご覧下さい。 (文責 麻酔科 岩崎洋一)
Vol.37
私(岩崎洋一)は 秋田県医師会の広報の委員もしております。
その広報委員会が月一回発行する「秋田医報」の裏表紙コラムを半年に一回ぐらいのペースで書いています。2021年2月号を今回担当したので その文章を紹介いたしたいと思います。
みなさんはにせウルトラマンを見破れますか?
この世に光あるところ影あり 正義あるところに悪あり 本物あるところに偽物あり……仰々しい書き出しで申し訳ありません。今回もあまり(というか全く)医学とは関係ない内容ですみません。
先生方の中で 作品を観たことは無くても「ウルトラマン」を全く知らない方はおられないと思います。楕円の黄色?い眼 銀色と赤の模様 地球上では3分しか活動できないのにテレビ画面では5分以上怪獣と戦い 腕から光線を出して怪獣を木っ端みじんにし 後片付けもせずに去っていく。残された怪獣や建築物の残骸は翌週にはキレイスッキリ!日本のお掃除、建築技術はすごい!と感じずにはいられません。
そのウルトラマンになりすまし悪事を働き ウルトラマンの評判をガタ落ちにしようとした極悪宇宙人がザラブ星人です。ところがこの偽物 足の形が違い 模様も微妙に違い なんといってもザラブ星人の目が吊り上がっているため目も変な吊り上がり目玉。こんなので人類が騙せるか?と思いきや 怪獣から地球の平和を守る科学特捜隊でさえ信じ込むという始末。
滅茶苦茶な設定だ!!と思うのですが、私の大好きな作家?というか科学者?の柳田理科雄先生がそれは致し方ないと著書で述べています。
その理由は
- ウルトラマンが現れる頃には、そこら辺の人間は逃げ出しておりほぼ無人
- いたとしても逃げるのに精一杯で背後で戦っているウルトラマンを見る余裕がない
- 科学特捜隊も怪獣を攻撃目標としているので、ゆっくりウルトラマンを観察する余裕がない(そもそもアッという間に戦闘機は撃墜される)
- そのウルトラマンもじっと立っているわけではなく怪獣と激しく動き回っているので、正確な外見がつかめない(しかも一応3分しか存在しない)
- そして一番大事なのが身長が40mであり 近くで人間が下から見上げても目が吊り上がっているかどうか判別できない
かといって遠くから観察すると顔がちいさくなってやはり判別できない ということだそうです。
さて毎度医学とは関係ない内容と書いていますが 今回の話はちょっとだけ私の院内活動に役立っています。私は接遇委員をやっており 春の新人接遇研修で、このにせウルトラマンのスライドを使用しています。
①下から見上げた写真(目が吊り上がっているのが分からない)これはベッドで寝ていたり、車椅子で移動している患者さんと 立ったままの姿勢で話などをする医療従事者の位置関係に似ています
②正面から見た写真(目が吊り上がっているのがよく分かる)つまり顔の表情がよく分かる=患者さんに安心感を与える。
今の御時世 コロナで患者さんはより一層不安感をつのらせています。外来でも病棟でも視線を同じ高さにして患者さんに寄り添ってあげてください。
まずは、ひとつずつ丁寧に説明すること。次の行動が判れば多少の不安は消えるのではないでしょうか。その為、患者さんの要望・質問に答えられるよう自らの知識向上に励み、安心して治療していただけるように心がけたいものです。
ファーストコンタクトとしての印象が患者さんに与える影響は大きく、信頼を得るよう真摯に笑顔で対応したいと思います。
竹内一郎先生が「人は見た目が9割」という書籍を書いておられるように、やはり見た目の印象は大事です。
さらに病院という空間・環境についても患者さん目線で考える必要があります。
なぜならこの空間・環境は、我々には日常であっても患者さんにとっては非日常であるからです。非日常の状態では判断力が低下しやすくその分見た目の直感的情報に頼らざるをえません。
そのことを充分肝に銘じてこれからも励んでまいりたいと思います。
(文責 岩崎洋一)